リチウムイオン二次電池部材製造設備をプラズマ溶断で解体中、設備内に滞留したメチルエチルケトンが溶接火花により引火爆発
【発生状況】
本災害はリチウムイオン二次電池製造設備撤去を行う作業中に発生したものである。当日、リチウムイオン二次電池の部材を製造する設備の撤去作業において、処理槽の解体のためプラズマ溶断を仕掛けていた被災者が、爆発の発生により爆風で3.2m程度飛ばされ死亡した。溶断箇所の内部に滞留していたメチルエチルケトンが、スパッタ等の熱を着火源として引火し、爆発に至った可能性がある。
本件工事発注者は処理対象設備の架台下部空間内部に爆発危険が存在する可能性を認識せず、当該設備に爆発危険箇所があることを含めた危険性等の情報提供を実施していなかった。
【原因】
・ 工事発注者が、処理対象設備に爆発危険が存在する可能性を認識せず工事施工者側に危険情報を伝達していなかったこと
・ 引火性液体が設備架台内部に残留していることに気づかなかったこと
・ 作業指揮をすべき立場にあった現場監督及び現場監督代理がプラズマ溶断作業の着手について把握していなかったこと
【対策】
・ 工事発注者は、設備稼働時に使用されていた物質やそれが残留する可能性及び物質の危険有害性などの情報を工事施行者に情報提供すること
・ 工事施工者は作業に係る危険有害性の情報の提供を求めること
・ 可燃性液体が滞留していることを想定したリスクアセスメントを実施すること
・ 現場監督者は作業の指導や監督、現場の巡回、点検等を行い現場に即応した安全衛生を確保するための作業指示を行うこと
【業種】
その他
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)
No.101670より一部抜粋
万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。
その他労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。
本日も無事故で一日を終えられますように。
削孔機が転倒し作業者に激突した
【発生状況】
道路の路肩補強工事において、法面にセメントを注入するための孔を開ける作業を行っていた。孔を開ける作業は、削孔機を所定の位置にセットして孔を開け、次の位置に削孔機を移動して、孔を開けることを繰り返すものである。
削孔作業は作業者3名で行っていた。当日の朝、簡単な打ち合わせを行い、夕方の作業終了前に、作業者Aはコンクリートミキサーの清掃作業をした。作業者Bと作業者C(被災者)は、翌日の開始位置に削孔機を移動させていた。削孔機の後ろから作業者Bが押し、前から作業者Cが引いたところ、削孔機の動きが悪くて削孔機が転倒し、作業者Cの胸部に激突した。
【原因】
・ 適切な作業方法?や手順を定めずに作業を行わせたこと
・ 移動方向に下り勾配であったこと
・ モーターやドリルが高い位置に取り付けられていて重心が高かったこと
・ 削孔くずが削孔機の底部にはさまってバランスを崩しやすくなっていたこと
【対策】
・ 削孔機は、重心が高いものを法面に設置することから、適切な方法で移動させないと転倒することは予見できたと考えられる。元方事業者は、関係事業者に仕事を請け負わせるに当たって、仕事の内容とともに、安全上の留意点を情報提供すること(特に、機械が転倒するおそれがある作業には技術的な指導を行うこと)
・ 事業者は、元方事業者からの情報を参考に、安全に作業を行うための対策や作業方法を定めること
・ 作業手順としては、例えば、①削孔機に転倒防止用の控えロープを設ける、②モーターやドリルを外す、③底部の清掃を行う、④ロープなどを使って離れた箇所から引くなど、危険性が少ない手順を定め、これを作業者に指示すること
【業種】
道路建設工事業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)
No.101671より一部抜粋
万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。
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