一人親方労災保険とは

一人親方労災保険とは

労災保険とは、正式名称を「労働者災害補償保険」といい、基本的には労働者が業務中や通勤途上で、ケガや病気に罹患した際にその補償を行うものです。
しかし、労働者以外でもその業務の実情、災害の発生状況などからみて、特に労働者に準じて保護することが適当であると認められる一人親方の方(労働者を使用しないで事業を行うことを常態とする一人親方など)には特別に加入が認められています。
(労災保険法1条・33条・35条)

一人親方労災保険「補償対象者」

労災保険に加入できる一人親方とは、労働者を使用しないで事業を行うことを常態とする一人親方、その他自営業者およびその事業に従事する者のうち、次に掲げる業種に該当する方となります。
「土木、建築その他の工作物の建設、改造、保存、現状回復、修理、変更、破壊もしくは解体またはその準備の事業(大工、左官、鳶職人など)」

判断が難しい場合は当団体までお問合せください。

一人親方労災保険「特別加入制度」

一人親方は単独では労災保険に加入することは法律上できません。それは労災保険は、「労働者」の業務災害または通勤災害に対して所定の保険給付を行うことを目的とした保険制度ですので、どの企業とも雇用契約にない一人親方は労働者とはみなされず、労災保険の保護の対象からは除外されています。
そこで、労災保険の一人親方団体(弊社のような団体)の長を事業主とみなし、団体の加入者を団体に雇用されている労働者とみなして労災保険へ特別に加入できるという制度となっています。

一人親方労災保険「加入メリット」

民間の保険は、補償内容を充実させるとその分保険料も高額となることが普通です。労災保険の場合には、所定の保険料で補償内容が大変充実していることが最大のメリットといえます。特に労災保険の場合、業務上または通勤途上で被災し、病院等で診察等を受ける場合の自己負担がないことや、死亡した場合における遺族への手厚い補償があることも大きなメリットです。
(労災保険法12条~18条・19条の2・21条~24条)

一人親方労災保険「加入対象者」

一人親方等の特別加入ができる人は、労働者を使用しないで事業を行うことを常態とする一人親方、その他の自営業者などで、次の事業を行う者に限り特別加入が認められています。

道民労災から加入いただける対象者は建設業のみ

これらの事業を労働者をしないでおこなうことを常態とする人が対象ですが、ごく短期間とか、たまたま労働者を使用することがあったとして も差し支えないとされています。

大工 電気工事 配管工事 造園工事
内装工事 内装仕上工事 とび 足場作り
ガラス工事 道路工事 鉄筋工事 土木工事
左官工事 屋根板金工事 舗装工事 石工事
塗装工事 防水工事 建具工事 解体工事

特定業務に該当する可能性がある職種

「特定業務に従事しない」でお申込みいただいた場合でも、一定の職種の方は当団体から業務内容の確認をさせていただく場合があります。※正確に業務内容をご申告いただかないと被災時に保険給付が受けられないことがあります。

特別加入時に健康診断が必要になる場合

下記一定の業務に一定期間従事したことがある場合には、特別加入の申請を行う場合に健康診断を受ける必要があります。(加入時健康診断)
なお、加入時の健康診断の費用は国が負担します。ただし、交通費は自己負担となります。

業務の種類 従事した通算期間 実施する健康診断
粉じん作業を行う業務 3年以上 じん肺健康診断
振動工具使用の業務 1年以上 振動障害健康診断
鉛業務 6ヶ月以上 鉛中毒健康診断
有機溶剤業務 6ヶ月以上 有機溶剤中毒健康診断

加入制限

加入時健康診断の結果が以下の場合には特別加入が制限されます。すでに疾病にかかっていて、その症状または障害の程度が一般的に就労することが難しく、療養に専念しなければならないと認められる場合、従事する業務の内容に関わらず特別加入は認められません。

すでに疾病にかかっていて、その症状または障害の程度が特定の業務からの転換を必要と認められる場合、特定業務以外の業務についてのみ特別加入が認められます。

給付制限

なお、特別加入前に疾病が発症、または加入前の原因により発症したと認められる場合には、特別加入者としての保険給付が受けられない場合があります。特別加入しようとする一人親方の方は、上記の業務に該当しないかどうか必ず確認し、該当する場合には加入時の健康診断を受けるようにしてください。

一人親方労災保険「加入できない場合」

労働者を常時使用する場合になった場合には、一人親方としての要件を満たさず、一人親方の特別加入としての地位は消滅してしまいます。
別途中小企業主として特別加入を加入する方法がありますので当団体までご相談ください。