防潮堤周囲の海底掘削工事中に、ドラグ・ショベルのバケットが潜水士に激突して死亡した
2022/11/02
【労災概要】
陸地からドラグ・ショベルを用いて海底を掘削する工事を行うため、潜水士(被災者)が海に潜って測量を行っていた。
測量終了後、ドラグ・ショベルの運転士は、被災者が陸に上がったことを確認せずに、掘削作業を開始した。運転士がブームを下げる操作を始めたとき、地上作業員は被災者との通信に使用する水中電話のスピーカーから「ストップ、ストップ」という声が流れてくるのを聞いた。地上作業員は、直ちに運転士にドラグ・ショベルの操作の停止を指示したが、間に合わず、バケットが被災者に接触した。
発見時、被災者は胸部に重傷を負っており、病院に搬送されたが死亡が確認された。
【原因】
1 ドラグ・ショベルに接触するおそれがある箇所に被災者を立ち入らせたこと
2 被災者の退避を確認せずにドラグ・ショベルによる掘削を開始したこと
3 掘削作業に係る作業計画や作業手順が定められていなかったこと
4 作業者間の連携が不足したこと
5 元方事業者による指導が不十分であったこと
6 元方事業者及び作業者間の連絡調整が不十分だったこと
【対策】
1 ドラグ・ショベルに接触する可能性がある箇所に労働者を立ち入らせないこと
2 作業を開始する際は、重機の作業範囲内に人がいないことを確認すること
3 掘削作業に係る作業計画や作業手順を定めること
4 元方事業者は、作業計画の策定状況を確認し、必要な指導を行うこと
【業種】
港湾海岸工事業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)
万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。
また、他にも労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の社労士法人Aimパートナーズ札幌の税理士・社会保険労務士・行政書士│Aimパートナーズ総合会計事務所 (office-ebina.com)へ是非ご相談ください。
本日も無事故で一日を終えられますように。
トンネルのコンクリート舗装作業中、一酸化炭素中毒となり入院
2022/11/02
【労災概要】
本災害は、貫通、覆工済のトンネルで、路盤のコンクリート舗装作業中に発生した。
貫通、覆工済のトンネル内部、坑口から300~450m付近において、路盤のコンクリート舗装作業を行っていた労働者及び事業主の計26名が、コンクリート舗装用機械等の排ガスに含まれる一酸化炭素にばく露し、うち7名が体調不良を訴えて救急搬送され、一酸化炭素中毒と診断された。
【原因】
1 気温、湿度、風速及び気圧等の変動が著しいトンネルの内部で内燃機関を使用するにもかかわらず、換気状態を把握していなかったこと。
2 各作業者に有効な呼吸用保護具を着用させなかったこと。
3 一酸化炭素の有害性及び予防策について事前に検討していなかったこと。さらに貫通したトンネルの出入口を遮風シートで覆い、中毒の発生リスクを高めたこと。
4 各作業者に一酸化炭素中毒予防のための労働衛生教育を実施していなかったこと。
5 労働者に十分な休憩を与えていなかったこと。
【対策】
1 トンネルの内部で作業する場合には、一酸化炭素濃度等を常時計測し、内燃機関を有する機械を使用する場合には、一酸化炭素のガス検知警報装置を設置すること。
2 自然換気が不十分な場所においては、原則として内燃機関を有する機械を使用しないこと。やむを得ず使用する場合は、換気装置により換気すること。また、各作業者に有効な呼吸用保護具を必要に応じ着用させること。
3 一酸化炭素中毒予防対策を盛り込んだ作業手順書を策定すること。
4 各作業者に労働衛生教育を実施すること。
5 労働者に十分な休憩時間を付与すること。
【業種】
道路建設工事業
【被害者数】
休業者数:4人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)
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