用水路管の敷設作業中に、ダンプトラックが通って法肩が崩壊し生埋めとなる
【発生状況】
この災害は、用水路管敷設工事現場において発生したものである。
この工事は、総延長3kmの道路に幅約2mから4m、深さ約1mから4mの溝を掘削して、用水路管(径75~300mmのダクタイル鋳鉄管および径150~300mmの硬質塩化ビニール管)を敷設するものである。
災害発生当日の作業は、①バックホーで掘削する。②掘削した溝の上に車両通行用の鉄板を架け渡す。③用水路管を敷設する。の手順で行われた。
朝からこの手順で作業が進められ、午後に掘削した土をダンプトラックに積み込んで(質量約2t)鉄板上を通行していたところ、掘削溝の法肩が崩壊しはじめ、ダンプトラックが後輪側から掘削溝に落下した。
このとき、掘削溝の底部では管敷設のための地ならし作業を2名で行っていたが、2名とも崩壊した土砂に生き埋めとなり、ダンプトラックの運転手は自力で運転席から脱出した。
その後、事故を知った近くに居たバックホーの運転者がダンプトラックにワイヤロープを掛けて引き上げようとしたができず、現場事務所に置いてあったもう一台のバックホーを運転してきて、2台でトラックを吊り上げ、次いで鉄板を取り出して、その下にいた2名を救出し、病院に救急車で移送し、加療したが2名とも窒息死した。
【原因】
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 崩壊しやすい地質であったこと
作業箇所の土質は軟質シラスであったので、掘削面の勾配は75度以下とすべきところ、直切りしていた。
また、溝底面で型枠の作業を行うときに、幅が足りないため、一部すかし堀りにしていた。
2 土止め支保工を設置しなかったこと
作業中に地山の一部が崩壊する前兆があったにもかかわらず、土止め支保工を設置しないまま掘削溝の底部に立ち入った作業を行わせていた。
また、このような危険のあるところに鉄板を敷き、ダンプトラック等の車両を通過させていた。
3 作業主任者が不在のまま作業を行っていたこと
この工事が開始されたときには、地山の掘削作業主任者が現場にいて作業を指揮していたが、途中からほかの現場に移ったため、災害発生時には作業主任者は不在であった。
4 安全管理を行っていなかったこと
この現場では、地山の掘削作業主任者を配置しなかったこと、作業開始前に予測される危険に対する的確な指示を行っていなかったこと、作業員に対する安全衛生教育が行われていなかったことなど安全衛生管理体制の整備と安全管理活動が行われていなかった。
【対策】
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。
1 作業箇所の調査を行い、作業の手順を定めること
地山を掘削する場合には、あらかじめ地質、地層の状態、含水、湧水の有無などについて十分な調査を行い、崩壊の危険がある場合には、土止め支保工の設置などの手順を定めることが必要である。
2 地山の掘削勾配等を確認すること
掘削機械を用いて掘削した溝の中に入って、手直しを行うような場合には、地山が崩壊しないように地質に応じた勾配の確保などについて検討することが必要であり、特にすかし堀りとしないことが重要である。
3 掘削溝の上面を車両が通行することを禁ずること
丈夫な型枠支保工が設置されていない限り、溝上面に鉄板を渡して車両を通行させることは禁止する必要がある。
とくに、車両が通行しているときに、溝内で作業を行うことのないよう作業の計画を定める必要がある。
4 作業主任者の指揮のもとに作業を行うこと
地山の掘削を行う場合には、有資格者の地山の掘削作業主任者を常駐させ、作業方法の決定、作業状況の監視などを行わせることが必要である。
また、作業開始前の安全作業に関する指示も的確に行う必要がある。
【業種】
その他の土木工事業
【被害者数】
死亡者数:2人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)
No.100525より一部抜粋
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