軽トラックの荷台上で、建築廃材をコンテナに投げ込んでいたところ転倒し死亡
【労災発生状況】
発生状況
本災害は、ビル新築工事現場で、建築廃材の収集及び後片づけ作業中に発生した。
災害発生当日は、工事現場内の廃材の収集と現場の後片付け作業が元請から一次下請のZ社に依頼され、Z社の作業者Aと二次下請会社の作業者Bが、この作業を行うことになった。AとBは工事現場内の各所にある廃材を軽トラックで回収した後、集積場所まで移動した。AとBは、軽トラックの荷台に積載した廃材の上に乗って、軽トラック後方に置かれたコンテナパレットに廃材を投げ込み始めた。その作業中、Aが軽トラックの荷台の上で転倒し、被災したものである。
Aは、定められた服装を着用していたが、元請から着用するよう指示されていた保護帽は着用していなかった。また、Aの安全靴の靴底は磨り減っていて、溝が浅くなっていた。
なお、災害が起きた建築廃材の収集及び後片づけ作業は臨時に行われたもので、作業手順は定められていなかった。
【原因】
この災害の原因として、次のようなことが考えられる。
1 建築廃材の収集及び後片づけ作業の作業手順書が整備されていなかったこと
作業者が上に乗っていた廃材は、不安定で荷崩れする可能性があり、その上で作業をするのは危険な状態であったにもかかわらず、作業手順が定められていなかった。
2 作業者の安全靴の底が擦り減っていて、すべり易い状況であったこと
3 作業者が保護帽を着用していなかったこと
工事現場の構内では、保護帽を着用することになっていたが、作業者に徹底されていなかった。
【対策】
同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 安全な作業手順書を定め、これを各作業者に徹底して手順どおりの作業を行わせること
特に、不安定な物には、乗らないような作業手順とし、作業者にも足元が不安定な場所での作業を行わせないようにする。また、作業手順書は、作業者に繰り返し教育しておくことも重要である。
2 安全靴は定期的に点検し、靴底に溝があり、滑りにくいものを着用させること
作業者の安全靴は、定期的に点検し、靴底の溝が浅くなっているものは交換するようにすることが必要である。
3 保護帽の着用について作業者に徹底すること
現場の作業者には、保護帽の着用など、作業に適した服装についての繰り返し教育をするとともに、作業中は作業者が保護帽を確実に使用していることを現場の責任者が確認することが必要である。
【業種】
その他の建築工事業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)
No.101033より一部抜粋
万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。
その他労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の 札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。
本日も無事故で一日を終えられますように。
足場資材を移動式クレーンでつり下ろし、玉外し作業中、隣にあったはいが崩壊し、はさまれて死亡
【労災発生状況】
この災害は、工事現場から引き上げてきた足場資材を、自社の資材置き場において、車両積載形トラッククレーンでつり下ろし、玉外し作業を行っていたところ、下ろした荷の隣にあった高さ約4mのはい(同寸法の建枠50枚を番線で結束して1束として、積み重ねたもの)が崩壊し、倒壊したはいに押された足場資材と隣の足場資材との間に作業者がはさまれて被災したものである。
災害発生当日、2名の作業者(AとB)および資材置場の管理責任者Cは、工事現場の足場組立で使用されなかった足場資材を2台のトラック(車両積載形トラッククレーン)で引き取り、資材置場に到着した。このとき、Cは、資材置き場の状況からトラック2台を同時に駐車できないと判断し、1台のトラックを移動するため、資材置き場を離れ、もう1台は、Cの指示によりBが資材置場に駐車させた。
AおよびBは、Cから「自分が戻るまで待て」と指示されていたが、Bは自らの判断で車両積載形トラッククレーンを操作し、荷台にあった足場資材のつり下ろし作業を開始した。Aは、下ろされた足場資材と元々資材置き場に積まれていた足場資材の間に入り、玉外し作業を行い始めた。このとき、下ろされた足場資材の反対側に積まれていた建枠のはいが崩壊し、建枠に押された足場資材にAがはさまれたものである。
災害が発生した資材置き場では、Cが管理責任者として、はいの配置や積み方を管理していた。しかし、保管されている資材のほとんどは、崩壊防止の措置も取られず、不安定な形のまま、4mの高さに積み上げられていた。また、Cをはじめとする社員全員の中ではい作業主任者技能講習を修了した者はいなかった。
なお、同社では、資材置き場で保管する資材等の数量、場所、方法等を定めた保管計画および資材等の建築資材のトラックへの積み下ろし作業やはい付け作業の作業手順書がいずれも整備されてなく、作業者への安全衛生教育も実施されていなかった。
【原因】
この災害の原因として、次のようなことが考えられる。
1 足場資材が不安定な状態で積み上げられていたこと
災害が発生した資材置き場では、番線で結束した建枠や他の足場資材が不安定な形のまま、4mの高さまで積み上げられていた。
2 はい作業主任者が選任されていなかったこと
足場資材を高さ2m以上の高さにはい付けして保管していたにもかかわらず、社員の中に、はい作業主任者技能講習を修了した者がおらず、はい作業主任者の職務を誰も遂行していなかった。
3 作業手順書がなく、作業者に安全衛生教育が実施されていなかったこと
はい付け作業やトラックへの積み下ろし作業など、資材置き場において行われる作業について作業手順書が整備されていなかった。また、作業者に安全衛生教育が実施されていなかった。そのため、作業者に、安全な作業方法の実施や責任者の指示に従うことについて徹底されていなかった。
【対策】
同種災害を防止するためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 資材等の保管計画を定め、はいの崩壊等防止措置を講じること
崩壊や倒壊の危険が大きい資材等を保管する場合には、数量、場所、安全な保管方法等を盛り込んだ保管計画をあらかじめ定めるとともに、保管されている資材等の崩壊や倒壊を防止するための堅固な間仕切りを設置する等崩壊防止のための措置を講じる必要がある。
2 はい作業主任者の選任等、安全衛生管理体制を整備すること
当該現場のように、足場資材を高さ2m以上にはい付けして保管する場合には、はい作業主任者技能講習を修了した社員の中から、はい作業主任者を選任し、その者に作業の方法及び順序の決定と作業の直接指揮、器具・工具の点検等の職務を行わせる必要がある。
3 作業手順書を整備し、作業者に安全衛生教育を実施すること
安全に作業を行うためのポイントを盛り込んだ作業手順書を整備するとともに、作業者に安全衛生教育を実施し、作業手順書の内容について作業者に周知徹底しておく。
特に、
[1] 複数の作業者により作業を行う場合には、現場責任者や作業主任者の指示に従うこと
[2] 崩壊の危険性がある個所に立ち入る場合には、崩壊防止に必要な措置を講じた上で安全を確認すること
を作業者に徹底することが重要である。
【業種】
その他の建築工事業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)
No.101034より一部抜粋
万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。
その他労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の 札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。
本日も無事故で一日を終えられますように。