建設業の労災事例

古民家の解体作業中、コンクリートブロック壁が倒壊

   

【労災概要】

5名の作業員で鉄筋コンクリートブロック造平屋建て古民家を解体工事中、北側の高さ3m、幅10mのコンクリートブロック壁を引き倒すため、地上から50cmの位置を電動ハンマー等ではつり作業を行っていたところ、突如コンクリート壁が倒壊し労働者2名が下敷きとなり死亡した。

【原因】

この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。

① 大型ブロック塀に適切な倒壊防止措置を講じることなく、はつり作業を行ったこと。

② 解体工事において発生する恐れのある災害についての知識が不十分であり、解体工事に対する危険性の認識が不足していたこと。

③ 解体工事にかかる作業の経験・知識のない者だけで、作業を行わせていたこと。

 

【対策】

類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。

① 解体対象物に倒壊の危険性がある時には、倒壊防止のための控えスペースの設置、または立ち入り禁止区域を定め、作業員の立ち入りを禁止すること。

② 大型の解体対象物などの倒壊による危険を防止するため、専門家を交えて、解体を行う対象物の形状、き裂の有無、周囲の状況などを調査し、作業計画を定め、作業員に教育を実施すること。

③ 危険が伴う解体工事を行う際には、作業に必要な知識・経験を有する者の中から職長を定め、その者に現場の指揮を行わせること。

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