建設業の労災事例

伐採した木の移動作業中、運転作業者がドラグ・ショベルを後退させたところ、後方にいた被災者が両足を履帯に挟まれて死亡した。

      2022/10/18

【労災概要】

作業現場は一般家屋の解体作業を4名で行っていた。被災者はドラグ・ショベルで支えられた立木をチェーンソーで切り込みを入れる役割であった。切り込みを入れた立木をバケットで倒すために運転者はドラグ・ショベルを後退させた際に、後方にいた被災者に気が付かず、被災者は履帯に両足を挟まれてしまった。ドラグ・ショベルの運転者は運転の資格を持っていなかった。

被災者は被災直後は意識はあり、救急車で病院に運ばれたが、2日後に死亡した。

【原因】

この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。

1 ドラグ・ショベル運転者が無資格で、知識や技能が不十分であったこと。

2 ドラグ・ショベルと周辺作業員が接触しないよう、誘導員の配置、立入禁止柵の設置などを行っていなかったこと。

3 作業前にドラグ・ショベルの稼働範囲には侵入しないことを申し合わせていたが、作業計画が具体的でなかったこと。

【対策】

類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。

1 無資格者にドラグ・ショベルを運転させないこと。

2 誘導員の配置、立入禁止柵の設置などドラグ・ショベルと周辺作業員の接触防止策を取ること。また、ドラグ・ショベル運転者が周囲の様子を把握でき、注意を促すことができる装置を設置すること(作業半径内感知システム、バックカメラ、バックブザーなど)

3 ドラグ・ショベル運転にかかる作業計画を書面化し、作業員に周知を図ること。

【業種】

その他の建築工事業

【被害者数】

死亡者数:1人

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)

 

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