建設業の労災事例

床材をはがす作業中、一酸化炭素中毒となり入院

      2022/09/20

【労災概要】

本災害は、屋内で、床材をはがす作業中に発生した。

作業者3名が、屋内で発電機(内燃機関を有する機械)を電源に、電動工具及び電動機械を使用して床材をはがす作業に従事中、発電機から生じた排気ガスを吸引して、めまい、立ちくらみなどの症状を訴えた。その後、3名はクリニックを受診したが、同クリニックでは対応できず、総合病院に救急搬送され、一酸化炭素中毒と診断された。

【原因】

1 被災事業場の代表が、一酸化炭素中毒のリスクについて認識していなかったこと。

2 発電機の使用にあたり、屋外に設置するなどの作業標準を定める等の安全衛生対策を行っていなかったこと。

3 一酸化炭素中毒のリスクについて作業者に対して教育を行っていなかったこと。

4 内燃機関からの一酸化炭素の排出量を把握し、作業空間に応じた換気量を確保していなかったこと。

【対策】

1 屋内で発電機を用いないこと。やむを得ず屋内で発電機を用いる場合は、十分な換気能力を有する換気扇等の換気設備の稼働による換気の徹底を図ること。

2 発電機を用いるにあたって、作業標準等を作成し、関係者に対し周知すること。

3 一酸化炭素中毒の危険有害性について作業者に教育を行うこと。

4 内燃機関からの一酸化炭素の排出量を把握し、作業空間に応じた換気量を確保すること。

【業種】

その他の建築工事業

【被害者数】

休業者:1人

 

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)

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配管切断時の残留クロロジフルオロメタン漏洩による中毒

      2022/09/16

【労災概要】

空調機撤去作業において、被災者が天井裏に設置された冷媒配管を切断したところフロンガス(クロロジフルオロメタン)が噴出したもの。災害時、冷媒配管は空調機から取り外されていたが切断部分より先で閉止されていたため、切断部分にはフロンガスが充填された状態であった。天井裏に換気装置はなかった。ガス漏洩量は不明であるが、災害後に再稼動のために必要な量のガスを充てんしたところ、39kgであった。被災者はマスク等の保護具は使用していなかった。

【原因】

1 SDSの内容未確認

2 作業標準書・マニュアルの不備

3 緊急時マニュアル未作成

4 安全衛生教育不足

5 作業者の作業手順・指示等の不履行

【対策】

1 配管ごとの切断の有無について現場で表示を行い確認者を定めるなど、配管を切断する作業に係る作業手順書を作成し、同手順書に基づき安全教育を行うこと。

2 誤って配管を切断しフロンガスが噴出した場合の作業者及びその周囲の者に係る作業手順を定め、同手順書に基づき安全教育を行うこと。

3 フロンガスの危険性について、安全データシートを用いるなどして現場入場者に対し安全教育を行うこと。

【業種】

建築業

【被害者数】

休業者:1人

 

出典:厚生労働省ホームページ職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)

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