建設業の労災事例

タイヤに空気を充填し移動させたときに破裂し激突される

      2022/12/07

【労災概要】

この災害は、ダンプカーのタイヤに空気を充填した後、そのタイヤを移動させようとしたところ、タイヤが破裂し、飛び跳ねたタイヤが激突したものである。

災害発生日、被災者は、午前中から、ダンプカーを運転し、採石場と工事現場を繰り返し往復して採石を運ぶ作業を行っていた。

そして、夕方に作業を終え、事業場に戻った。このとき、後輪の8本のタイヤのうち、1本がパンクしていたため、タイヤを外し、修理を行った。

修理後、エアーコンプレッサーを使い、タイヤに空気を充填させた。その後、タイヤをダンプカーに取り付けるため、タイヤを転がして運ぼうとし、横になっているタイヤを立てようとしたところ、チューブが破裂し、その勢いで、タイヤが飛び跳ね被害者の頭に激突した。

【原因】

この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。

1 危険空気圧を超えて空気を充填したこと

減圧弁等の圧力調整装置が取り付けられていないため、エアーコンプレッサーから空気を直にタイヤに充填をした。また、パンク修理やタイヤ組み替えは、通常は、外注しており、被害者は、タイヤの空気圧の適切な値を知らなかった。

2 作業の禁止を徹底していなかったこと

パンク修理などは、外注することとなっていたが、軽微な作業などは、黙認されており、禁止が徹底されていなかった。

3 危険な作業を伴う機械の持ち込みを黙認していたこと

空気充填作業に用いたエアーコンプレッサー、タイヤゲージ、レンチなどの器具は、同僚が知人のガソリンスタンドが新しいものを購入し不要になったものを譲り受けたものであり、自宅には、置くスペースがないため、職場に置き、自分の所有する自動車のタイヤ交換等に使用していた。

【対策】

同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。

1 タイヤの空気充填を行う場合は、圧力調整装置を使用すること

タイヤに空気を充填する作業を行う場合は、タイヤの種類に応じて空気の圧力を適正に調節させる圧力調整装置を設ける。

また、タイヤの種類に応じた安全囲い等飛来を防止する器具を使用させる。

2 タイヤの空気充填を行う者に対して安全教育を行うこと

空気圧縮機を用いてタイヤに空気を充填する作業を行わせる場合は、特別教育を実施し、その記録を保存する。

【建設業】

【被害者数】

死亡者数:1人

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)

 

万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。

また、他にも労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。

 

本日も無事故で一日を終えられますように。

 

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