建設業の労災事例

ミキシングプラントのドラム内清掃中に攪拌翼に巻き込まれた

   

【発生状況】

地盤改良工事現場において、現場内に設けられたミキシングプラントを用いて、地面を掘削しながらセメントミルクを注入し、土とセメントミルクを混ぜ合わせていた。

地盤改良工事は、作業者4名で行っていた。午前中に予定していた作業を終了し、直ちに後片付けを開始した。作業者A(被災者)は、ミキシングプラントのドラム内を清掃するため、作業者Bに手で合図してからドラム内に入った。作業者Cは、地盤改良機のアタッチメントを外して、片付け始めた。作業者Dは、現場に置かれていた貯水槽の片付けを始めた。貯水槽には水が入っており、水を抜くために操作盤のボタンを押した。ところが、押したのは貯水槽の水を抜くポンプのボタンではなく、ドラムの攪拌翼の起動ボタンだった。ボタン操作後すぐに、ドラムの攪拌翼が回転し始めた。作業者Dは、ドラムの方から異音が聞こえたので確認したところ、作業者Aがドラム内で横たわっているのを発見した。

【原因】

・安全に作業を行うための作業手順を定めずに作業を行わせたこと

・ミキシングプラントの電源を入れたまま清掃作業を行ったこと

・ミキシングプラントの操作盤にロックアウトキーを設けていなかったこと

・清掃作業は電源を切って作業することや、ロックアウト方式について、作業者に指示しなかったこと

・ポンプの起動ボタンと攪拌翼の起動ボタンが同じ形状・同じ色ですぐ横に並んでいたこと

【対策】

・元方事業者は、関係事業者に仕事を請け負わせるに当たって、仕事の内容とともに、安全上の留意点を情報提供すること(特に、危険な機械装置について技術的な指導を行うこと)

・事業者は、元方事業者からの情報を参考に、安全に作業を行うための?対策や作業方法を定めること

・定めた作業手順や保護具の着用などについて、作業者に指示(教育)すること。その際、日本語のコミュニケーションが難しい作業者には、母国語や分かりやすい日本語を用いるなど、理解できるまで教育すること

・攪拌翼の起動ボタン(または操作盤の扉)には、ロックアウトキーを付けることができるようにすること

・ロックアウト方式について作業者に教育すること。元方事業者は関係事業場に対して、ロックアウト方式について教育するように指導すること

 

【業種】

その他の建設業

【被害者数】

死亡者数:1人

 

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)

No.101672より一部抜粋

 

万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。

その他労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。

 

本日も無事故で一日を終えられますように。

 

 

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