建設業の労災事例

ケーソンの開口部の作業床が荷とともに落下

   

【発生状況】

この災害は、漁港改修工事において、ケーソンの設置に使用する機械設備の据付作業中、仮設した作業床とともに荷が落下し、作業者3名がケーソン内へ墜落したものである。

この工事は、港の堤防を延長するため、コンクリート製のケーソンの据付けおよび上部のコンクリート打設を行うものである。

災害発生当日の作業は、元請X社から現場代理人ほか1名と下請のY社とZ社の作業者5名で、ケーソンの位置決め作業に使用するウインチ用発電機および油圧ユニットをケーソン開口部に機器類を置くために仮設した鉄製の作業床上へ運搬するものであった。

ケーソンには20の開口部があり、その開口部に仮設した作業床はそれぞれサイズが異なっており、作業床がケーソンの開口部より小さい場合はアングル材を溶接し、腕を付け足して使用していた。(平面図、立体図参照)

午後5時頃、クローラクレーンを用いてケーソン上の作業床に、ウインチ、発電機等の順で荷を吊り込み、続いて、油圧ユニットを据付ける作業を行っていたところ、作業床が破損し、発電機等とともに作業者3名が開口部内へ墜落した。

破損した作業床はケーソン開口部より小さいもので、腕を継ぎ足して使用していた。

【原因】

この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。

1  機械設備を載せる作業床の強度が不足していたこと

(1) ケーソンの開口部の寸法が、そこに設置した作業床の寸法とほとんど等しかったため、非常に小さい面積で大きな荷重を負担することになり、この設置位置が少しずれることにより、部分的に荷重が集中した。

(2) 作業床は、2枚の鉄板を蝶番(ちょうつがい)でつなぎあわせたものであったが、蝶番(ちょうつがい)のピンに黒い腐食や変形が見られたことからピンが抜けかかっていた可能性があった。

2   作業床の点検整備が不十分であったこと

破損した作業床以外の作業床についても蝶番(ちょうつがい)のピンに変形が見られたことなどから、作業床など使用する機械・設備の維持・管理が不十分であった。

3   安全管理体制が未整備で、安全管理が不十分であったこと

作業床にあり合わせのサイズが一定しない中古品を使用するなど安全管理計画が不十分で、元請による安全管理が徹底していなかった。

【対策】

同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。

1 作業床は、設置する開口部の大きさを考慮して、十分な大きさと強度を持つものとし、きちんと固定すること

2 部材をつなぎ合わせたものを作業床として使用する場合には、荷重が局所的に集中して倒壊することのないように、あらかじめ検討すること

3 機械・設備の点検整備を定期的および使用前に実施し、安全を確認したものを使用すること

4 統括安全管理体制を整備し、下請事業場を含む安全管理を徹底すること

計画の段階で危険評価を実施し、作業に使用する機械の安全確認および安全作業の基準を作成し、関係作業者に周知するとともに、安全衛生推進者を選任して現場巡視を行い、また、下請作業者の安全教育の指導援助するなどにより安全管理を徹底する必要がある。

 

 

【業種】

港湾海岸工事業

【被害者数】

死亡者数:2人

休業者数:1人

不定休数:0人

行方不明者数:0人

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)

No.100309より一部抜粋

 

労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。

その他労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。

 

本日も無事故で一日を終えられますように。

 - 函館の建設業, 旭川の建設業, 札幌の建設業 , , , , , , , , , , , , , ,

用水路管の敷設作業中に、ダンプトラックが通って法肩が崩壊し生埋めとなる

   

【発生状況】

この災害は、用水路管敷設工事現場において発生したものである。
この工事は、総延長3kmの道路に幅約2mから4m、深さ約1mから4mの溝を掘削して、用水路管(径75~300mmのダクタイル鋳鉄管および径150~300mmの硬質塩化ビニール管)を敷設するものである。
災害発生当日の作業は、①バックホーで掘削する。②掘削した溝の上に車両通行用の鉄板を架け渡す。③用水路管を敷設する。の手順で行われた。
朝からこの手順で作業が進められ、午後に掘削した土をダンプトラックに積み込んで(質量約2t)鉄板上を通行していたところ、掘削溝の法肩が崩壊しはじめ、ダンプトラックが後輪側から掘削溝に落下した。
このとき、掘削溝の底部では管敷設のための地ならし作業を2名で行っていたが、2名とも崩壊した土砂に生き埋めとなり、ダンプトラックの運転手は自力で運転席から脱出した。
その後、事故を知った近くに居たバックホーの運転者がダンプトラックにワイヤロープを掛けて引き上げようとしたができず、現場事務所に置いてあったもう一台のバックホーを運転してきて、2台でトラックを吊り上げ、次いで鉄板を取り出して、その下にいた2名を救出し、病院に救急車で移送し、加療したが2名とも窒息死した。

 

【原因】

この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。

1 崩壊しやすい地質であったこと

作業箇所の土質は軟質シラスであったので、掘削面の勾配は75度以下とすべきところ、直切りしていた。

また、溝底面で型枠の作業を行うときに、幅が足りないため、一部すかし堀りにしていた。

2 土止め支保工を設置しなかったこと

作業中に地山の一部が崩壊する前兆があったにもかかわらず、土止め支保工を設置しないまま掘削溝の底部に立ち入った作業を行わせていた。

また、このような危険のあるところに鉄板を敷き、ダンプトラック等の車両を通過させていた。

3 作業主任者が不在のまま作業を行っていたこと

この工事が開始されたときには、地山の掘削作業主任者が現場にいて作業を指揮していたが、途中からほかの現場に移ったため、災害発生時には作業主任者は不在であった。

4 安全管理を行っていなかったこと

この現場では、地山の掘削作業主任者を配置しなかったこと、作業開始前に予測される危険に対する的確な指示を行っていなかったこと、作業員に対する安全衛生教育が行われていなかったことなど安全衛生管理体制の整備と安全管理活動が行われていなかった。

【対策】

同種災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要と考えられる。

1 作業箇所の調査を行い、作業の手順を定めること

地山を掘削する場合には、あらかじめ地質、地層の状態、含水、湧水の有無などについて十分な調査を行い、崩壊の危険がある場合には、土止め支保工の設置などの手順を定めることが必要である。

2 地山の掘削勾配等を確認すること

掘削機械を用いて掘削した溝の中に入って、手直しを行うような場合には、地山が崩壊しないように地質に応じた勾配の確保などについて検討することが必要であり、特にすかし堀りとしないことが重要である。

3 掘削溝の上面を車両が通行することを禁ずること

丈夫な型枠支保工が設置されていない限り、溝上面に鉄板を渡して車両を通行させることは禁止する必要がある。

とくに、車両が通行しているときに、溝内で作業を行うことのないよう作業の計画を定める必要がある。

4 作業主任者の指揮のもとに作業を行うこと

地山の掘削を行う場合には、有資格者の地山の掘削作業主任者を常駐させ、作業方法の決定、作業状況の監視などを行わせることが必要である。

また、作業開始前の安全作業に関する指示も的確に行う必要がある。

【業種】

その他の土木工事業

【被害者数】

死亡者数:2人

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)

No.100525より一部抜粋

 

労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。

その他労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。

 

本日も無事故で一日を終えられますように。

 - 函館の建設業, 旭川の建設業, 札幌の建設業 , , , , , , , , , , , , ,