建設業の労災事例

作業構台を撤去する作業において、高さ4.5mのH鋼上を歩行中に墜落

   

【労災発生状況】

この災害は、工事が終ったトンネル工事現場において、資材置き場として使用していた作業構台を撤去する作業中に、作業構台下の梁の上を歩行中の労働者が墜落し死亡したものである。

この作業構台は、山の斜面に柱を垂直に立て、その柱に斜面から水平に延ばした梁を架け、梁と梁の間に鋼板を設置した構造で、この作業構台の上には、資材置き場のほか、作業者の休憩所や便所が設けられていた。

災害発生当日、作業構台の撤去作業を請け負ったZ社の現場責任者Aおよび作業者B~Eの5人は、作業構台下の石積みの撤去作業を朝から行っていた。昼食休憩後に行われた元請の現場所長Fと各下請の現場責任者によるミーティングでは、午後は午前中の作業を継続すること、翌日は足場を組み便所の汚水配管を撤去することなどの作業工程を確認した。

午後の作業を開始して間もなく、作業場所を巡回中の元請の現場代理人Fは、Z社のBに対して直接、翌日に足場を組み配管を撤去する計画であることを話した。これをBは直ちに配管撤去を行うと勘違いし、さらにBから話を聞いたCは1人で、作業構台脇にあった階段から手すりを乗り越えて地上より約4.5mの高さに水平に張った梁(幅30cmのH鋼)に飛び乗った。そして配管に向かって歩行中、バランスを崩して墜落した。Cは病院に搬送されたが、死亡した。Cは、保護帽および安全帯を着用していたが、Cが墜落した梁には安全帯を使用するための設備はなかった。

また、ミーティングに出席したZ社の現場責任者Aは、翌日の配管撤去作業を確認していたが、作業計画はまだ作成しておらず、B~Eの作業者に対しても具体的な作業方法を説明していなかった。

【原因】

この災害の直接原因は、Cが墜落防止措置のない梁の上を歩行したことであるが、これを引き起こした要因としては次のことが考えられる。

1 立入禁止措置が不十分であったこと

Cが墜落した梁は、通常の作業では立ち入ることがなかったにもかかわらず、作業構台脇にあった階段から手すりを乗り越えて容易に立ち入ることができた。

2 元請と下請との連絡体制が不十分であり、明確な作業指示のないままに、作業を開始したこと

元請の現場代理人Fは、ミーティングで下請の現場責任者Aに指示したほか、現場の作業者Bにも直接話をした。その話の内容を勘違いしたBはCに伝え、現場責任者Aからの作業指示がないままCが作業を開始した。

3 不安全行動の防止を含めた安全衛生教育がなされていなかったこと

現場の作業者に対し、危険な場所への立入禁止、現場作業者の指示に従って行動すること等の内容を含めた安全衛生教育を実施していなかった。

【対策】

同種災害の防止のためには次のような対策の徹底が必要である。

1 危険場所への立入禁止措置を行うこと

墜落等の危険のある場所には、作業者が容易に立ち入ることができないよう、立入禁止の柵を設けるとともに、「立ち入り禁止」の表示をする。

2 元請との連絡調整を適切に行い、工事を開始する前に、安全に配慮した作業計画を作成すること

元請からの指示は、現場責任者が受け、他の作業者に指示するようにする。

また、元請や発注者からの急な指示で計画外の作業が発生した場合には、現場責任者が作業計画を見直し、必要に応じて変更し、足場を組み立てる等の安全対策を講じた上で、作業者に指示する。安全が確認できない場合、店社または元請と協議して対応をとる必要もある。

3 現場の作業者に対し、安全衛生教育を徹底すること

高所作業での危険性の認識や不安全行動の防止に関する安全衛生教育を実施する。また、作業者の危険性への感受性を高めるためのKY活動等の導入も検討する。

【業種】

トンネル建設工事業

【被害者数】

死亡者数:1人

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)

No.101113より一部抜粋

 

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