建設業の労災事例

ビル解体工事において、ビル内の配管の撤去作業中、爆発が発生し、熱傷を負った

   

【労災概要】

ビル解体工事現場(地上5階、地下1階)において、ビル内の配管の撤去のため、被災者2名が解体ビル1階東側入り口付近のガス管(都市ガスが供給されている1次系のガス管を含む)をレシプロソー(防護構造ではない電動ノコギリ)で切断したところガス臭がしたものの残ガスであると判断しガス管の切断、撤去作業を続けた。その後、ガス管の大部分を切断、撤去したところでガス臭が続いていたことから、ガスが薄まるまで一旦その場を離れ、ビル一階西側の水道管の切断、撤去を行ったところ爆発が起き熱傷を負った。

もう1名の被災者は、地下1階で作業を行っていたが、携帯用グラインダーの刃を替えようと、刃が置いてある1階へ上がったところ爆発に巻き込まれたもの。3人は自力でビル外へ逃避した。

【原因】

この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。

1 作業開始前にガスの供給状況を供給元に確認することなく、ガスは供給されていないと判断し、ガス管の切断作業を開始したこと。

2 ガス管の切断に伴いガス臭を感じていたにもかかわらず、ガスの供給状況を確認しないまま作業を中断することなく続けたこと。

3 爆発、火災のおそれのあるガスが充満していた場所で防爆構造ではない電動工具を使用したこと。

【対策】

同災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。

1 解体作業を開始する前に、ガスの供給状況について供給元の立会等のもと確認し、敷地内へのガスの供給を止めてから解体作業を開始すること。

2 敷地内へのガスの供給を止めた場合でも、残ガスなどによりガス管の切断に伴いガス臭がした場合には直ちに作業を中止し、ガスの供給状況について再確認するとともに、換気を行うこと。また作業の再開に際してはガスが充満していないか検知器等を用いて確認するなど万全を期すこと。

3 可燃性ガス等が充満して爆発のおそれがある場所では、着火源となりうる防爆構造ではない電気機械器具等は使用しないこと。

4 元方事業者として安全施工サイクルに基づく作業開始前の打ち合わせ、KY等の活動が確実に実施できるよう現場代理人を選任し、現場全体の統括管理を確実に実施すること。

5 リスクアセスメントの手法を用いることにより作業手順書等を見直し、安全教育を実施する等により関係労働者に周知徹底すること。

6 工事開始前の社内審査体制を確立し、周囲の状況調査等知り得たところに適応する作業計画となっているか確認すること。

【業種】

はつり・解体工事業

【被害者数】

休業者:3人

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)

 

万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。

また、他にも労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の社労士法人札幌の税理士・社会保険労務士・行政書士│Aimパートナーズ総合会計事務所 (office-ebina.com)へ是非ご相談ください。(本店:西区・支店:中央区)

 

本日も無事故で一日を終えられますように。

 

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