マンションの大規模修繕工事現場にて足場の解体作業中、足場上を移動していたところ、足場から地上に墜落した
【労災事例】
マンションの大規模修繕工事現場にて足場の解体作業中、解体した足場材の受け渡し役として、足場材を足場上で運んでいた被災者は、荷降ろし役の作業員に足場材を渡した後、次の足場を解体役から受け取るために足場上を移動した際、足場から地上に転落した。
なお、足場上を移動する際、親綱の中継点があり、2丁掛けの安全帯を掛け替える必要があった。また、日没に差し掛かり、足場の解体作業現場は薄暗くなり始めていた。
【原因】
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 2丁掛けの安全帯が適切に使用されていなかったこと。被災者が、足場の布板上を移動するにあたり、親綱の中継点で安全帯のフックを掛け替える際、未使用側のフックを(中継点の向こう側の)親綱に掛ける前に他方の親綱に掛けていたフックを外した、若しくは、掛けたつもりのフックが、親綱に完全に掛けられていなかったこと。
2 日没を迎え、作業現場が薄暗くなり始めていたにも関わらず、作業を続けたこと。このことにより、安全帯のフックを掛ける親綱をしっかり目視できなかったり、布板の隙間に躓いたりするリスクが高まっていた可能性がある。
3 専任の監視人が不在で、作業主任者は自ら作業を行いながら、監視業務も行っていたこと。
【対策】
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 2丁掛けの安全帯の適切な使用方法について、教育徹底を図るとともに、作業開始前に、作業員に(2丁掛け安全帯の)適切な使用方法を相互に確認させることを徹底し、適切な使用方法の定着を図ること。
2 手元、足元が確実に見える照度を確保できるよう、日没間際まで作業を行わないようにすること、若しくは照明設備を設けること。
3 監視人が不在となることがないよう連絡体制を強化すること。専任の監視人をおくことが困難な場合は、副担当となるべき人員を複数選任すること。
【業種】
建設業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)
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