建設業の労災事例

工場内廃棄物焼却炉の吹きつけ作業中に薬傷

   

【労災概要】

被災者ら3名の作業者は、化学工場内における廃棄物焼却炉の定期補修工事で、耐火物へ耐火物の硬化時間促進剤である急結剤の吹付け作業を行っていた。その際、ノズルとホースの接続部から飛散した強アルカリの急結剤が作業者3名の皮膚に付着したことにより、3名とも薬傷(化学性皮膚炎)を負った。これによる休業等はなかった。

【原因】

1 作業計画書に安全作業に係る指示・留意事項が記載されていなかったこと。

2 作業者に必要な安全衛生教育が行われていないこと。

3 液体が浸透しない保護具など、適切な保護具を選定していなかったこと。

4 使用する薬剤のSDSが交付等されていなかったこと。

5 災害発生当日に、作業指揮者が出勤出来ず作業体制が変更となったにも関わらず、代替措置や対応策を協議・打合せすることなく作業を実施したこと。

【対策】

1 作業計画書に、安全作業に係る指示・留意事項を記載するとともに、現場の体制における各担当者の役割を明確化すること。

2 作業に応じた適切な保護具を選定し、労働者に着用させること。

3 健康障害を生ずるおそれのある物質を提供する場合には、SDS等を提供先に確実に交付等すること。

4 適切な安全衛生教育を実施すること。

【業種】

その他の建築工事業

【被害者数】

負傷等はあったが、休業はなし

 

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)

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マンション外壁の吹付塗装作業中にコンプレッサーの排気により一酸化炭素中毒、その後死亡

   

【労災概要】

被災者は、鉄筋コンクリート造りのマンション新築工事現場内で外壁の吹付塗装作業中、使用していた内燃機関を有するコンプレッサーの動作が停止した。そのためコンプレッサーを使用していた室内へ行き給油作業を行っていた際、室内に充満した排気ガスに含まれる一酸化炭素を吸引し、意識を失って倒れた。別の作業者が発見したとき、被災者が使用していたコンプレッサーは停止しており、燃料タンクのキャップが外され、燃料計は満となっていた。被災者は救急搬送されたが一酸化炭素中毒によりまもなく死亡が確認された。

【原因】

1 完全に密閉された室内で、1時間以上コンプレッサーの運転を続けていたため、室内の一酸化炭素濃度は1200ppmを超える高濃度であったと推測される。被災者はその場に倒れたまま20分程度経過したことで、蘇生できなかったものと推測される。

2 自然換気が不十分な室内で、内燃機関を有するコンプレッサーを使用したこと。

3 作業者の一酸化炭素中毒に関する認識が低かったこと。

4 当該作業に関して、リスクアセスメントが実施されていなかったこと。

【対策】

1 内燃機関を有するコンプレッサーを室内で使用させないこと。やむをえずに使用する場合には、送風機を設置する等により十分な換気を行うこと。

2 建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドラインに基づき、労働者に対して安全衛生教育を行うこと。

3 リスクアセスメントを実施して、リスク低減措置を講ずること。

【業種】

建築工事業

【被害者数】

死亡者数:1名

出典:厚生労働省ホームページ(職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)

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