スプレーガンを用いた吹き付け塗装作業による肺の炎症
【労災概要】
自社作業場(倉庫)内において、被災者2名が建材見本を作成するため、養生フィルムを使って簡易的な塗装ブースを作り、スプレーガンを用いて吹きつけ塗装を行っていた。塗料はフッ素系ポリマーを含むものであった。両名とも徐々に動悸が起こる、喉に違和感を覚え咳が出始める等の症状が発生していたが、作業を継続したところ、後に肺が炎症を起こしていることが判明したもの。防毒マスクは使用していなかった。
【原因】
1 SDSの内容未確認
2 適切な呼吸用保護具未着用
3 リスクアセスメント未実施
4 作業標準書・マニュアル未作成
5 作業標準書・マニュアルの不備
6 安全衛生教育未実施
7 換気・排気装置未設置
8 換気不足
9 作業者の危険有害性認識不足
10 作業主任者・管理責任者等の危険有害性認識不足
【対策】
1 塗装作業時に全体換気装置等による換気を行い、かつ労働者に呼吸用保護具の着用を徹底させること。
2 労働者に対しSDSの周知を行うこと。
3 リスクアセスメントを行い、安全衛生に関する教育を徹底すること。
4 内燃機関を有する機械を使用する際には、当該機械を屋外に設置するか、換気をする等して作業場の通風をよくすること。
【業種】
建築設備工事業
【被害者数】
休業者数:2人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)