建設業の労災事例

屋根葺き工事中、足場板とともに墜落

   

【労災発生状況】

この災害は、木造倉庫の屋根の瓦葺き工事において、丸太足場の点検中に発生したものである。

災害発生当日は、午前7時頃に現場責任者Aと作業者B、Cの3人が作業現場に到着した。3人は地下足袋に履き替えて屋根に上がり、Aは、BとCに対し、当日の作業内容について、台風が来るのでその準備をし屋根の釘打ちはしないこと、足場は点検してから使用すること等を指示した。

Cは、Aの指示に従って足場を点検しようとして屋根北側の軒先まで行き、軒先から丸太足場上に架け渡されていた足場板に飛び乗ったところ、番線等で他の足場板と緊結されていなかったため、足場板が天びん状態となってバランスを崩し、その足場板とともに約5.5m下の地上に墜落し、間もなく死亡した。

このときCは保護帽を着用しておらず、また、安全帯も着用していなかった。さらに、丸太足場には、手すりがなく、屋根軒先にも墜落防止措置が講じられていなかった。

【原因】

この災害の原因として、次のようなことが考えられる。

1 固定されていない足場板に飛び乗ったこと

Aから「足場板は点検して使うように」という指示があったので、Cは屋根北側の軒先から足場の点検をしようと思い足場板に飛び乗ったが、足場板同士の重ね部を番線等で固定していなかったため、足場板が天びん状態になり、墜落した。

2 丸太足場に、手すりがなかったこと

3 屋根上での作業に関わらず屋根の軒先に転落・墜落防止措置が講じられていなかったこと

4 Cは、保護帽を着用しておらず、また、安全帯も着用していなかったこと

【対策】

同種災害防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。

1 足場板は番線等で緊結するとともに、足場の構成部材、手すり、足場板の取付け部、緊結部等を点検し、異常を認めたときは直ちに補修すること

丸太足場では、足場を使用する作業を行うに当たって、作業を開始する前に、床材の取付け、かけ渡しの状態、手すり等の有無、脱落の有無、足場板同志の重ね部の緊結状態等を点検し、異常を発見した場合には、適切に補修等を行うことが必要である。

2 丸太足場での作業を行う場合には、墜落を防止するための手すりを設けること

3 屋根上で作業を行う場合には、軒先からの転落、墜落を防止するため、軒先上に丸太足場の建地を延長し、手すりを設けること

4 作業者には必ず保護帽と安全帯を着用させ、墜落のおそれのある屋根作業、軒先作業等では必ずこれらを使用させること

【業種】

木造家屋建築工事業

【被害者数】

死亡者数:1人

 

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)

No.101109より一部抜粋

 

万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。

また、他にも労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の 札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。

 

本日も無事故で一日を終えられますように。

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コンクリートブロック壁の解体中に壁が倒壊し死亡

   

【労災発生状況】

この災害は、鉄筋コンクリート造建屋の改修工事において、コンクリートブロック壁の解体作業を行っているときに発生したものである。

災害発生当日、午前8時頃から現場作業者全員が集合し、元請業者のY社による朝礼と危険予知活動を実施した後、下請業者のZ社の職長および作業者A~Cの4名は、地下1階に下りて、旧機械室と旧自家発電機室との間仕切りの鉄筋コンクリート壁、旧自家発電機室と通路との間仕切りのコンクリートブロック壁等の解体作業を開始した。

午前中、鉄筋コンクリート壁の解体を終え、午後、Aは、コンクリートブロックの解体を行うため、足場を架設し、天井との接合個所をハンマーで取り壊した。一方、Bは、壁の下部(床上40cmの位置)に横方向一列に孔をあけた後、Aと二人で残っている壁をハンマーで繰返し叩いていたところ、突然壁が2人の方に倒れかかってきた。Bはとっさに横に逃げたが、Aは倒れた壁の下敷きとなって死亡した。Y社、Z社とも、壁の解体作業について、壁の倒壊による危険性を考慮した作業手順書を作成することなく、作業者に作業を行わせていた。このため、コンクリートブロック壁の解体作業中、倒壊を防止する措置は講じられていなかった。また、Y社、Z社とも、関係作業者に対して、壁の解体作業の危険性等について教育を実施しておらず、当日の朝礼でも安全な作業方法についての指示はなかった。

【原因】

1 壁の上部を取り壊し、下部に孔をあけた際、壁の倒壊を防止する措置を講じていなかったこと

2 壁の解体作業について、壁の倒壊による危険性や安全な作業方法等を盛り込んだ作業手順書を作成することなく、また、これをもとに関係作業者に対し安全衛生教育を実施することなく作業を行わせたこと

【対策】

同種災害防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。

1 壁の解体作業を行う場合で、倒壊による危険が予想されるときは、壁の倒壊防止措置を講じること

壁に人力で衝撃を加える、押したり引いたりする等により解体作業を行う場合は、壁の倒壊による危険が予想されるため、作業前に必ず、ワイヤロープ、チェーンブロックを使用する等により、壁の倒壊防止のための措置を講じること

2 壁の倒壊による危険性や安全な作業法等を盛り込んだ作業手順書を作成し、これをもとに関係作業者等に対し、安全衛生教育を実施すること

壁のはつり・解体作業を行う際は、壁の倒壊による作業者の危険を防止するため、あらかじめ、壁の形状、作業場所等を十分に確認し、適切な作業方法を盛り込んだ作業手順書を作成し、工事責任者および関係作業者に対し、安全衛生教育を実施すること。さらに、工事責任者が作業開始前に関係作業者に対し安全な作業方法の指示、指導を徹底する。

【業種】

鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業

【被害者数】

死亡者数:1人

 

出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)

No.101110より一部抜粋

 

万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。

また、他にも労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の 札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。

 

本日も無事故で一日を終えられますように。

 

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