削孔機が転倒し作業者に激突した
【発生状況】
道路の路肩補強工事において、法面にセメントを注入するための孔を開ける作業を行っていた。孔を開ける作業は、削孔機を所定の位置にセットして孔を開け、次の位置に削孔機を移動して、孔を開けることを繰り返すものである。
削孔作業は作業者3名で行っていた。当日の朝、簡単な打ち合わせを行い、夕方の作業終了前に、作業者Aはコンクリートミキサーの清掃作業をした。作業者Bと作業者C(被災者)は、翌日の開始位置に削孔機を移動させていた。削孔機の後ろから作業者Bが押し、前から作業者Cが引いたところ、削孔機の動きが悪くて削孔機が転倒し、作業者Cの胸部に激突した。
【原因】
・ 適切な作業方法?や手順を定めずに作業を行わせたこと
・ 移動方向に下り勾配であったこと
・ モーターやドリルが高い位置に取り付けられていて重心が高かったこと
・ 削孔くずが削孔機の底部にはさまってバランスを崩しやすくなっていたこと
【対策】
・ 削孔機は、重心が高いものを法面に設置することから、適切な方法で移動させないと転倒することは予見できたと考えられる。元方事業者は、関係事業者に仕事を請け負わせるに当たって、仕事の内容とともに、安全上の留意点を情報提供すること(特に、機械が転倒するおそれがある作業には技術的な指導を行うこと)
・ 事業者は、元方事業者からの情報を参考に、安全に作業を行うための対策や作業方法を定めること
・ 作業手順としては、例えば、①削孔機に転倒防止用の控えロープを設ける、②モーターやドリルを外す、③底部の清掃を行う、④ロープなどを使って離れた箇所から引くなど、危険性が少ない手順を定め、これを作業者に指示すること
【業種】
道路建設工事業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)
No.101671より一部抜粋
万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。
その他労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。
本日も無事故で一日を終えられますように。
ミキシングプラントのドラム内清掃中に攪拌翼に巻き込まれた
【発生状況】
地盤改良工事現場において、現場内に設けられたミキシングプラントを用いて、地面を掘削しながらセメントミルクを注入し、土とセメントミルクを混ぜ合わせていた。
地盤改良工事は、作業者4名で行っていた。午前中に予定していた作業を終了し、直ちに後片付けを開始した。作業者A(被災者)は、ミキシングプラントのドラム内を清掃するため、作業者Bに手で合図してからドラム内に入った。作業者Cは、地盤改良機のアタッチメントを外して、片付け始めた。作業者Dは、現場に置かれていた貯水槽の片付けを始めた。貯水槽には水が入っており、水を抜くために操作盤のボタンを押した。ところが、押したのは貯水槽の水を抜くポンプのボタンではなく、ドラムの攪拌翼の起動ボタンだった。ボタン操作後すぐに、ドラムの攪拌翼が回転し始めた。作業者Dは、ドラムの方から異音が聞こえたので確認したところ、作業者Aがドラム内で横たわっているのを発見した。
【原因】
・安全に作業を行うための作業手順を定めずに作業を行わせたこと
・ミキシングプラントの電源を入れたまま清掃作業を行ったこと
・ミキシングプラントの操作盤にロックアウトキーを設けていなかったこと
・清掃作業は電源を切って作業することや、ロックアウト方式について、作業者に指示しなかったこと
・ポンプの起動ボタンと攪拌翼の起動ボタンが同じ形状・同じ色ですぐ横に並んでいたこと
【対策】
・元方事業者は、関係事業者に仕事を請け負わせるに当たって、仕事の内容とともに、安全上の留意点を情報提供すること(特に、危険な機械装置について技術的な指導を行うこと)
・事業者は、元方事業者からの情報を参考に、安全に作業を行うための?対策や作業方法を定めること
・定めた作業手順や保護具の着用などについて、作業者に指示(教育)すること。その際、日本語のコミュニケーションが難しい作業者には、母国語や分かりやすい日本語を用いるなど、理解できるまで教育すること
・攪拌翼の起動ボタン(または操作盤の扉)には、ロックアウトキーを付けることができるようにすること
・ロックアウト方式について作業者に教育すること。元方事業者は関係事業場に対して、ロックアウト方式について教育するように指導すること
【業種】
その他の建設業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害統計 (mhlw.go.jp)
No.101672より一部抜粋
万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。
その他労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。
本日も無事故で一日を終えられますように。