建設業の労災事例

コンクリートカッター使用中の一酸化炭素中毒により入院

   

【労災概要】

本災害は、保育施設においてコンクリート床スラブの切断、破砕作業中に発生した。

床暖房を設置するための作業により発生する粉じん飛散防止のため、遊戯室内の床暖房設置場所を仮囲いした内部において、内燃機関を有するコンクリートカッター2台及び内燃機関を有するブレーカー1台によるコンクリート床スラブの切断、破砕作業を行っていたところ、被災者1名が倒れ、他の5名も体調不良を訴えた。現場では、粉じんの排出をするため、仮囲いの入口近くにポータブル送風機を排気用途で2台、扇風機2台を内部で稼動させていた。

【原因】

①一酸化炭素に対応する十分な換気、有効な呼吸保護具を使用する等の一酸化炭素中毒予防対策を講じないまま作業を行ったこと。

②関係労働者に安全衛生教育を実施していなかったこと。

【対策】

①換気が不十分な場所において内燃機関を有する機械を使用しないこと。作業の性質上やむを得ず使用する場合には「建設業における一酸化炭素中毒予防のためのガイドライン」に基づく適切な一酸化炭素中毒予防対策を講じること。

②関係労働者に対し、一酸化炭素の有害性についての教育及び安全衛生教育を行うこと。

 

【業種】

木造家屋建築工事業

【被害者数】

休業者数:4名

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古民家の解体作業中、コンクリートブロック壁が倒壊

   

【労災概要】

5名の作業員で鉄筋コンクリートブロック造平屋建て古民家を解体工事中、北側の高さ3m、幅10mのコンクリートブロック壁を引き倒すため、地上から50cmの位置を電動ハンマー等ではつり作業を行っていたところ、突如コンクリート壁が倒壊し労働者2名が下敷きとなり死亡した。

【原因】

この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。

① 大型ブロック塀に適切な倒壊防止措置を講じることなく、はつり作業を行ったこと。

② 解体工事において発生する恐れのある災害についての知識が不十分であり、解体工事に対する危険性の認識が不足していたこと。

③ 解体工事にかかる作業の経験・知識のない者だけで、作業を行わせていたこと。

 

【対策】

類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。

① 解体対象物に倒壊の危険性がある時には、倒壊防止のための控えスペースの設置、または立ち入り禁止区域を定め、作業員の立ち入りを禁止すること。

② 大型の解体対象物などの倒壊による危険を防止するため、専門家を交えて、解体を行う対象物の形状、き裂の有無、周囲の状況などを調査し、作業計画を定め、作業員に教育を実施すること。

③ 危険が伴う解体工事を行う際には、作業に必要な知識・経験を有する者の中から職長を定め、その者に現場の指揮を行わせること。

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