ドラグショベルを用いて鋼製バッカンを移動させていたところ、ドラグショベルもろとも河川に転落した
2022/10/31
【労災概要】
被災者は、河川の災害復旧工事現場にて、擁壁基礎コンクリート打設のための型わく工事に従事していた。
被災者は、河川にかかる橋の東詰めから南側に向かって河床に下るスロープ上に置かれていたバッカン(鉄製の容器)を「道に上げておくように」との指示を受け、橋上からドラグショベルのアームを伸ばし、バケットをバッカン上部に引っ掛け、ドラグシャベルを旋回させることでバッカンを「ずり上げ」ようとした。しかし、バッカンが自重で下方へずり落ち、バケットが引っ張られる形でドラグショベルに斜め下向きの力がかかり、ドラグショベルが横転した。被災者はドラグショベルの運転席から投げ出され、ずり落ちたバッカンの縁上に墜落し、バッカンの縁と落ちてきたドラグショベルのバケットとの間に腰部を挟まれ受傷した。
【原因】
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 バケットをバッカン上部に引っ掛け、バッカンを「ずり上げ」ようとするなど、本来の用途を外れ、ドラグショベルを使用したこと。
2 予め、作業計画を策定していなかったこと。
3 労働者に対し、当該作業に係る作業方法、作業手順、安全教育等を実施していなかったこと。
【対策】
類似災害の防止のためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 ドラグショベルによる「ずり上げ」等の用途外使用を行わないこと。
2 バッカンを移動させるときは、十分な能力のあるクレーン等を用いてバッカンを吊り上げ、移動作業を行うこと。
3 予め作業計画を定め、リスクアセスメント等により、作業の安全性、妥当性を十分検証した上で、作業を行うこと。
4 能力向上教育等を受講させるなど、労働者に対し安全衛生教育を徹底すること。
【業種】
建設業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)
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また、他にも労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の社労士法人札幌の税理士・社会保険労務士・行政書士│Aimパートナーズ総合会計事務所 (office-ebina.com)へ是非ご相談ください。
本日も一日、無事故で終えられますように。
屋外でのコンクリートブロック製作中に一酸化炭素中毒となった事例
2022/10/27
【労災概要】
本災害は、河川の水害防止のためのコンクリートブロック製作作業中に発生した。
当該作業は、屋外にて地面に穴を掘り、組み立てた型枠にコンクリートを打設してブロックを作るという手順である。災害発生当時は気温が氷点下であったため、コンクリートの養生(適切に固まること)のために、穴の上部をビニール製のシートで密閉してその中で練炭を燃やして気温を上げ、作業を行った。被災者らは、養生を終えた後の当該穴の中で、上部を覆ったシートを一部開けただけで型枠組立て作業を行っていたところ体調の不良を訴え、1名が倒れた。その後、到着した救急隊員により治療の必要性が確認され、医療機関にて一酸化炭素中毒と診断された。
【原因】
1 作業場所を覆っているシートを取り外して換気を行う、又は全体換気装置を設ける等により、一酸化炭素の濃度が有害な程度とならないための措置を講じていなかったこと。
2 呼吸用保護具等、適切な保護具を備えていなかったこと。
3 練炭を燃やした作業場所における一酸化炭素濃度を事前に確認することなく、当該作業場所で作業を開始したこと。
4 一酸化炭素の有害性等に関する十分な知識を有していなかったこと。
【対策】
1 作業場所を覆っているシートを取り外して換気を行う、又は全体換気装置を設ける等により、一酸化炭素の濃度が有害な程度とならないための措置を講じること。
2 呼吸用保護具等、適切な保護具を備えること。
3 練炭を燃やした作業場所で作業を行う際には、事前に一酸化炭素濃度に異常がないことを確認してから作業を開始すること。
4 一酸化炭素の有害性等に関する教育を実施すること。
【業種】
建築工事業
【被害者数】
休業者:4人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)
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