道路法(のり)面工事のアンカーを点検中、足を滑らせ転落し死亡
2023/03/13
【労災概要】
この災害は、道路の法面の安定化工事において、高さ約6m、勾配60度の法肩個所で、親綱を取り付けるためのアンカーの点検作業中に作業者が足を滑らせ転落し死亡したものである。
災害発生当日、現場代理人Aおよび作業者B~Dの4人で、床堀した法面へのラス張り作業と別の法面のモルタル手直し作業を行うことになっていた。作業開始とともに、Bは、アンカー施工済みの法面上の地山に登り、法肩から下方60cmの位置に打ち込んである親綱用のアンカーの点検作業をしていたところ、足を滑らせ、約6m下の小段上に転落し、死亡した。
Bは、保護帽およびスパイク付き長靴は着用していたが、安全帯を着用していなかった。また、地山斜面を登るためのはしご等昇降設備は取り付けられておらず、Bは既設のPCコンクリート受圧板を手がかりにして登った。
なお、この現場では、通常は朝礼で現場代理人から作業指示と安全面の注意が行われていたが、当日は、Aの到着が遅れたため、朝礼が行われることなく作業が開始されていた。
【原因】
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 転落の危険がある高さ約6mの法面個所(作業床の端)で、安全帯を使用しないでアンカーの点検を行ったこと
Bは被災時に、保護帽、スパイク付き長靴は着用していたが、安全帯は着用していなかった。また、アンカー設置場所への昇降設備が設けられていなかった。
2 アンカーが、法面から60cmの位置に設置してあり、点検等の際に転落による危険があったこと
3 作業開始前に昇降方法、アンカーの点検方法等安全な作業方法についての指示が行われなかったこと
【対策】
同種災害の防止のためには、次のような対策が必要である。
1 転落の危険がある法面での作業を行わせるときは、昇降設備を設けるとともに、必要に応じ親綱を設け、作業者に安全帯を使用させること
2 アンカーは、作業個所に応じ、できるだけ、点検等の際に転落による危険が生じるおそれのない場所に設置すること
3 作業開始前に朝礼を実施し、当日の作業予定の確認や安全な作業方法についての指示を行うこと
【業種】
道路建設工事業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)
万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。
また、他にも労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。
本日も無事故で一日を終えられますように。
鉄骨組立作業中、足を踏み外し墜落
【労災概要】
この災害は、2階建て店舗新築工事の鉄骨組立作業において、高さ約8mにある梁上でリップみぞ形鋼材(C形鋼材)(断面形状100×50×20mm、長さ約4m、重さ約16 kg)を運搬していた作業者が墜落したものである。
災害発生当日、工事現場には複数の作業者グループが入場し、Aを含む6名の作業者は、C形鋼およびブレースの取り付けを行うよう現場責任者Bから指示された。
Aは、移動式クレーンで梁上に荷下ろしされたC形鋼を取り付け位置まで運ぶ作業を担当していたが、作業を開始して約2時間後、C形鋼を両手で抱えて幅10cmの梁の上を歩いて運搬中、足を踏み外して墜落した。Aは、直ちに病院に搬送されたが、死亡した。
当日、別の作業者グループがBからC形鋼およびブレースの取り付けと並行して水平安全ネットを張るよう指示されていたが、Aが墜落したときは、まだ張られていなかった。Aが足を踏み外した梁の上には安全帯用の親綱が設置されており、Aは安全帯を着用していたが、フックを親綱に掛けていなかった。当該現場ではBが建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に指名されていたが、複数の作業を同時進行させていたため、Aらが安全帯を使用している状況を確認していなかった。
また、Aは当日、初めて当該現場に入場したものであったが、Aに対し入場時安全衛生教育を実施することなく、作業に就かせた。
【原因】
この災害の原因としては、次のようなことが考えられる。
1 被災者に安全帯を使用させていなかったこと
2 水平安全ネットが、設置されない状態のまま、梁の上で運搬作業を行わせる等、作業計画が不適切であったこと
3 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に指名されたBが、安全帯の使用状況の監視、作業の直接指揮等、作業主任者としての職務を行っていなかったこと
4 初めて現場に入場した者に対して行うことにしている、作業方法や作業手順に関する安全衛生教育をAに実施しないまま作業に就かせたこと
【対策】
同種災害を防止するためには、次のような対策の徹底が必要である。
1 鉄骨組立作業においては、安全帯の使用を徹底すること
2 作業者の墜落等の危険を防止する措置を先に実施する作業計画を策定すること
作業者が墜落する危険を防止する措置を講じた後に高所作業を開始するような作業計画を策定する。
3 建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者に次の職務を確実に行わせること
[1] 作業の方法および作業者の配置を決定し、作業を直接指揮する。
[2] 器具、工具、安全帯等および保護帽の機能を点検し、不良品を取り除く。
[3] 安全帯等および保護帽の使用状況を監視する。
4 新規入場者に対し行うことにしている安全衛生教育を実施し、墜落の危険や作業方法等を教育した上で作業に就かせること
【業種】
鉄骨・鉄筋コンクリート造家屋建築工事業
【被害者数】
死亡者数:1人
出典:厚生労働省ホームページ 職場のあんぜんサイト:労働災害事例 (mhlw.go.jp)
万が一、労災事故が起こった場合の労災申請に関して、ご不明点がありましたらお気軽にお尋ねください。
また、他にも労務相談等お困りごとがございましたら、当団体運営の札幌・東京の社会保険労務士法人 Aimパートナーズ (aimgroup-sr.com)へ是非ご相談ください。
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